私事ですが、4月下旬に、第36回国際アルツハイマー病世界会議(the 36th Global Conference of the Alzheimer’s Disease International)に出席し、幸運にも発表する機会に恵まれました。今回の会議は、ポーランドの古都クラクフで開催されました。 この会議の参加者は、ポーランドで実際に参加するか、オンラインで参加するかを選択できます。 私は、アメリカでのスケジュールが合わなかったため、残念ながら、オンライン参加を選択しました。3日間の会議では、アルツハイマー病やその他の認知症に関する新しい治療法や介入、介護の問題、支援、政策など、様々なトピックが盛り込まれました。世界中から、1000人以上の代表者が参加したということです。私は、ずっと取り組んで参りました認知症ケアのモデルに関して、その他の素晴らしい発表者に混じって、事前録画という形で、発表させて頂きました。
この会議では、タスマニアからケニア、ネパールからスコットランドまで、いろいろな地域・国、そして組織・団体を代表する方々の発表を拝見し、個人的にとても刺激を受け、また、感動しました。これらの発表に一番共通していたのは、認知症の方々の生活をより良いものに、という思いではないかと、感じています。
さて、私にとっての会議のハイライトは、まず、小児認知症についてです。当初私は、小児の認知症については、ほとんど知識がありませんでしたが、いくつかの発表から、この複雑な経験について、より多くの情報と洞察を得ることができました。 残念ながら、認知症は一生を通じて起こる可能性があります。 しかし、小児認知症の場合、今後、臨床試験を含む更なる研究が進めば、効果のある治療や治癒は、可能性が大きいということです。第二に、多くの発表者が、認知症の研究と、認知症の診断からケアを受けるまでの支援プロセスにおいて、多様性、公平性、包括性が欠如している(私のブログ16でも同様の問題に、多少なりとも触れております)と問題提議し、また、多くの国々で、これらの問題を改善するために、具体的な努力が行われているという、報告をしています。
そして最後に、国際アルツハイマー病協会(the Alzheimer’s Disease International: ADI)は、支援活動を強化するための意図的な戦略として、グローバル認知症専門家パネルを設立しました。 この重要なパネルは、認知症の方々と、その介護者から成ります。 現在、パネルには各大陸の代表者がおり、将来的には世界各国からの人材を採用することを目指しています。 現時点でのメンバーの方々が、認知症の方の声を直接取り入れることの大切さを訴え、改めてその重要性を痛感致しました。この中に、日本を代表して、山中しのぶさんもいらっしゃいます。山中さんは、2019年に若年認知症と診断を受け、その後、ご自身の経験を活かして一般社団法人「セカンド・ストーリー」を設立され、高知県で認知症の方々のためのデイサービス「はっぴぃ」を運営されている、素晴らしい方です。スーパー・ウーマンと呼ばせて頂きたい程です。そして、勿論、参加者からは、拍手喝さいが湧きました!
この会議で、新しい知識・情報と共に、元気を頂き、私も自分なりに、出来ることを一つ一つ確実にやっていきたいと、更に決意した次第です。
最後の最後にもう一つだけ、お知らせをさせて頂きます。現在、国際アルツハイマー病協会は、認知症に関する意識調査を世界的に行っています。お時間があれば是非、調査にご協力下さい。以下のリンクをクリックして頂くと、調査のページになります。右上の言語セクションから、日本語を選択出来ます。よろしくお願い致します。
Komentarze