私が日本滞在中に、こんなニュースもありました。厚生労働省が、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」(商品名レケンビ)の製造販売を承認したのです。以前のブログでも紹介していますが、「レカネマブ」は、日本のエーザイと、アメリカのバイオジェンの共同開発です。アルツハイマー病で見られる脳内に蓄積したアミロイドβを取り除き、アルツハイマーの進行を遅らせることを臨床試験のデータで示しています。今回の承認は、アメリカに続いて2カ国目となりました。
さて、ブログでも書いた通り、この「レカネマブ」の投与対象者は、アミロイドβの蓄積が見られる軽度認知症障害(MCI)と早期のアルツハイマーの方に限られます。つまり、勿論のことですが、投与対象者になるためには、きちんとした診断が必要となります。MCIや早期アルツハイマーと診断されるには、PETスキャンや腰椎穿刺、MRIなどが必要となって来ると思われます。また、残念ながら「レカネマブ」を投与した方々の副作用(脳浮腫)も報告されています。投与は、2週間に1回の静脈点滴となります。嬉しいはずのニュースに水を差すつもりではありませんが、これらの事柄が何らかの問題となる可能性は、大いにあります。
そして、更に気がかりなのが、今後検討されるこの薬の価格です。一体、保険診療でいくらになるのか…。アメリカでは、年間の価格が2万6500ドル(390万円)です。国の負担と、投与される方の自己負担がいくらになっていくのか、年内にも決定されるということですが、いずれにしても非常に高額な薬となる事は、間違いありません。
ブログでも繰り返し書いておりますが、多くの人々を助けることになる筈の新薬ですので、アメリカ、日本を問わず、世界中で公正に販売されていくことを、切に願います!
薬価が決定されましたら、またブログで紹介させて頂きますね。
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