先回このブログでも紹介させて頂きましたが、この7月6日に、遂に日本のエーザイとアメリカのバイオジェンが開発したアルツハイマー病の新薬レカネマブが、米国食品医薬品局(FDA)によって、完全承認(Full Approval)されました。アミロイドβをターゲットとしたレカネマブの最終段階での臨床試験結果では、18か月に渡って、参加者の認知機能面の低下が、27%抑制されたという結果が、報告されています。これは、4、5ヶ月間進行を遅らせることに等しいと言われています。因みにレカネマブは、軽度認知障害の方、もしくは、初期のアルツハイマーの方を対象とし、症状が進行した方は対象になりません。完全承認を受けたことによってアメリカでは、薬を処方する医師が登録し、効果を報告することで、公的保険制度(Medicare)を使って、この薬の費用が保険適用されるそうです。先回も触れましたが、年間の費用は26,500ドルです。これは因みに、$1を135円として換算すると、日本円で3,577,500円となります!保険により80%がカバーされますが、という事は、20%が自己負担となります。さらに、この薬を使用できるか、まずは、脳内にアミロイドβの蓄積があるか調べるために、高額なPETスキャン、もしくは、身体に負担がかかるかもしれない腰椎穿刺をしなければなりません。アメリカでは使用される方への経済的負担が懸念されています。また、この薬の投与は2週間に1回、静脈からの点滴で行われます。どこの病院施設で治療が行われるかによっては、月に2回の頻度で通院するのは困難な方も、出るかもしれません。現在、皮下注射の臨床試験も進行しているとのことで、個人が、自己注射できるようになれば、このような問題も解決できますね。日本では、この秋にも、認可するかどうかの審査結果が下されるようです。認可されれば、この薬の価格が日本ではいくらになるのか、非常に気になります。アメリカでも、日本でも、いろいろな角度から、この薬を必要とする方々が、平等に治療を受けられるように整備していって欲しいと願います。
興味のある方は、エーザイのプレスリリースを参考にされて下さい。
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